初めての国産車「オートモ号」
初めての国産量産車として記録が残っているのは、1924(大正13)年に完成した「オートモ号」だそうです。
2001年の東京モーターショーにも展示されていたので、見た方もいるのではないかと思います。ちなみに私は見ていません。
同車の前にも国内で製作されたクルマはあったのですが、それらは海外のクルマのパーツを流用して製作されたものだったそうです。オートモ号は、パーツまで国内で製作した初めての純国産車とされています。
オートモ号を造った豊川順彌氏は、アメリカ留学の際に自動車に興味を持ち、帰国して自動車製造会社「白揚社」を設立。1921(大正10)年には試作車として「アレス号」を製作しました。それを小型化、改良したのがオートモ号です。1925(大正14)年に海外に向けて輸出され、初めて輸出された国産車としても知られています。なお、1928(昭和3)年までに230台が生産されたそうです。
オートモ号には、900cc直4OHVで12馬力の水冷エンジンと、1800ccサイドバルブ直4で20馬力の空冷エンジンの2種類があり、駆動方式はFR、変速機は3速マニュアルミッションでした。水冷エンジン車はトヨタ博物館 http://www.toyota.co.jp/Museum/index-j.html に、空冷エンジン車は国立科学博物館 http://www.kahaku.go.jp/に、それぞれ保存されています。ちなみに、空冷エンジン車の値段は1780円(現在の価値では600万円弱)だったそうです。
その当時価格もすごかったのでしょうが、自動車なんて殆ど走っていなかったでしょうからさぞかし目立っていたのでしょうね。