ガソリンにつづく自動車の燃料は?
ガソリン、軽油、灯油、あらゆる石油製品の原材料である原油。いつかは底を尽きてしまいます。それに地球温暖化効果ガス(CO2)の問題など、様々な観点から石油に頼る燃料(化石燃焼)は考えなければならない時期に来ています。
そこで石油に代わわる燃料として考えるのが、地球上に無尽蔵にある水素です。燃料電池などがそうですね。水素なら水の電気分解で作ることが出来るからだ。しかし、水素の安全性について、かなりの人が誤解してるようです。
すぐに引火しやすく爆発するのでは?などのイメージがどうして熕・fにはあるようですがそれらも全て誤解です。
まず比重が空気の1/14しかないため、大気中に放出されるとあっという間に拡散してしまい、そこにとどまらないので、火が着く状態にはならないそうです。
一般的な危険性で考えると、水素はメタンやプロパン、ガソリンと同等で、短時間水素が漏れても非常に軽いため、メタンやプロパン、ガソリンなどより早く拡散上昇してしまう。密閉された空間でなければ、他の燃料よりも短時間で安全な密度まで水素濃度は下がります。ところがプロパンやガソリンの蒸気密度は、空気より重いため漏れると地表面近くに滞留して、引火する状態になります。
さらに水素は無色(燃焼の炎も)、無臭、無害で、一番単純な構造の物質ですが、他のもの(気体に限らず金属も)と結びつきやすく、結果として燃えやすい特徴があります。その燃焼温度は3000℃で、空気中の含有量が4~74%と言う広範囲の条件で燃焼します。ただし、発火点はガソリンの500℃に比べ、570℃と高いため、自然発火はしにくいと言えます。
そもそも水素もガソリンもどんな可燃物でも酸素がなければ燃えません。そうです、むしろ危険なのは水素やガソリンではなく、_素であると言えます。酸素は地球上で最も必要なものではあるが、酸素があるために燃焼、酸化という現象が起きます。酸素を制御出来れば、何も怖いものはないかも知ません。
それより問題なのは水素をどう貯蔵しておくかということです。水素はマイナス253℃で液体になり、マイナス269℃で固体(つまり凍る)になる。液体にすることは比較的簡単なのであるが、液体のまま保つのが難しい。少しでも気温が上昇すると蒸発を開始して、再びマイナス253℃にしなければ液化しない。気体はある程度の圧力を加えると液化する。これは水素も同じ。ただし、生半可な圧力ではない、理論的ではあるが1万気圧にすると液化するらしい。つまり、1万気圧に耐える容器と圧縮する機械が出来れば、マイナス253℃にして液化した水素を、いつまでも貯蔵出来るのであるが、あまりそれは現実的ではないです。
つまり、安全性は確保出来ても、液体水素をプロパンガスのような状態で維持管理することは出来ないのです。これは今後の課題ですが、最近の研究で、水素吸蔵合金より優れたものが発見されたそうです。それがカーボンナノチューブというもの。これはガス状態での貯蔵で、これまでの吸蔵合金よりも水素の所蔵密度は高く、なおかつ出し入れに対する条件も簡素化されると言うことです。
このように自動車を取り巻く技術、研究は日進月歩で進んでいます。近い将来「レギュラー満タン」でなくて、「スイソ満タン」の時代が来るかもしれないですね。少々マニアックな話でした。