大成3丁目の夕日 第5話
修理工場時代の私は仕事もまじめでしたが、
遊びも相当本気でした。
いわゆる「車バカ」というやつで、
とにかく自分の車に全情熱、全体力、全財産を注ぎ込んでいました。
せっせと自分の車を改造しては、
夜な夜な走ったり、サーキットでぶっ飛ばしたり、
事故ったり、エンジン壊したり、
泣いたり、笑ったりと毎日大忙しです。(笑)
そんな自分でしたから、
その当時の工場の経営状態など
知る由もありませんでしたが、
そのころ会社にはいろんな問題があったようです。
社長の家族の相続問題、
そこに付け込んだ詐欺問題、
会社そのものの経営問題。
なんとなく良くは無いくらいには
解っていたくらいで、
私は自分のこと以外は無頓着でした。
それでもだんだん現実的に
いろんな問題が出てきたんです。
あるとき突然迷彩カラーの
怖い人が乗っている凱旋車が会社にきたり、
会社にあるものが全部差し押さえになったり、
そのため自分たちの工具を毎日全部持ち帰ったり、
社長のあの立派な自宅がとられてしまったり、
そういえば社長の別荘も二束三文で売ってしまいました。
会社の敷地内に住んでいた工場長も社長家族が住むことになり、
追い出されてしまいました。
まだまだたくさんありましたが、
私にはその頃理解できないことばっかりでした。
まぁ理解しようと思って無かったですね。
ましては会社が無くなってしまうなんて考えもしませんでした。
つづく
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担当 広瀬